<国際親善試合:日本1-0ジャマイカ>◇10日◇デンカS

 鋭いパスが何度も通った。フル出場を果たした右MF柴崎岳(22=鹿島)が抜群の存在感を見せた。前半16分、FW岡崎のパスがFW本田に通ると、その右サイドへ走り込み、呼吸の合ったパス。柴崎が中央へ鋭く放ったシュートをGKがセーブ。そのボールが相手DFに当たり、オウンゴールを呼び込んだ。後半5分には、岡崎にピンポイントのクロスでチャンス演出。同11分にも中央の岡崎へ得意のスルーパスを通し、ひときわ輝く活躍を見せた。

 まだ代表2戦目。先月のデビュー戦ではあいさつ代わりの1発を放ち、遠藤がつけた背番号「7」の重圧をはねのけた。柴崎がボールを持つとゴールを予感させるプレーを既に発揮している。「日の丸を背負うということで特別な思いがあるし、国を代表して戦える喜びもある」。真面目でクールな22歳は、確実に新生アギーレジャパンの主軸へと成長した。

 アギーレ監督も「柴崎はワールドクラス。本田、香川と自然にプレーしている」と大絶賛。プロデビューして4年だが、攻守の切り替えの素早さと球際の厳しさを武器に、日本の心臓役をきっちり果たす。「彼はかなり遠いところまで行ける選手だと思う」と、指揮官も明るい未来を明言した。

 次戦はシンガポールで王国ブラジルと対戦する。「(ブラジルと)やったことある選手からいろいろなことを聞きながらやっていきたい。難しい試合になると思いますけど、勝利を目指して頑張ります」。若き司令塔が、国際舞台でも勝利へと導く。【小杉舞】