日本代表ハビエル・アギーレ監督(55)が13日、ドタバタでチームに合流した。11日(日本時間12日)のメキシコ・パチュカでのサッカー殿堂式典後、急いで日本に向かい、成田空港経由で中部国際空港に到着。この日の午後7時に愛知県内の宿舎に入り、同8時からの親善試合ホンジュラス戦(14日、豊田ス)に備えた公式練習で指揮を執った。慌ただしい中、アジア杯オーストラリア大会(来年1月9日開幕)への「最終選考試合」に臨む。

 人けの少ない中部国際空港の到着ロビーを、アギーレ監督は急ぎ足で関係者駐車場へと向かった。到着ロビーに姿を現したのは、公式練習開始が1時間41分後に迫った午後6時19分。関係者が運転する車に乗り込むと、30キロ以上先の愛知県内の宿舎へと急行した。

 まさにドタバタだった。メキシコで行われた11日の式典出席後、急いで日本に向かうため飛行機に搭乗。太平洋を越える長時間移動を経て、宿舎に到着したのはこの日の午後7時。同7時30分すぎに練習会場に向かうチームバスに乗り込んだ。公式練習の開始時間もアギーレ監督の予定に合わせ、今回だけ通常より遅い同8時に設定。ギリギリの到着にも対応した。

 公式練習の開始直前、ピッチ上での円陣で53秒間だけ前線からのプレスなどの戦術的な指示を選手に送った。今回の親善試合2試合は選手選考と同時に、アジア杯に向けて勢いをつけるためにも重要な位置付け。「明日の試合は立ち上がりから勝ちにいかないといけない。前回(ブラジル戦)で痛い敗戦があり、全員にまだ刺さっているトゲを抜くためにも勝ちにいく」と語気を強めた。

 代表の活動期間は限られており、わずか3日間であっても指揮官の離脱は異例。「監督という仕事を20年間務めているが、チームを不在にしたことは初めて。殿堂入りは1回しかないので、今回の(不在も)一生に1度のこと」と冗談を口にしたが、間違いなく選手選考やチームづくりへの影響はあるはずだ。

 「映像で見たが(不在時の)練習も計画通りできていた。私がいてもいなくても、明日の試合がうまくいかない言い訳にはならない」と断言。自らの不在により、貴重な準備期間だった3日間を失ったことは事実だからこそ、経験豊富な指揮官の手腕が問われることになる。【菅家大輔】