U-21(21歳以下)日本代表の手倉森誠監督(47)が、選手派遣の直談判のために来年2月下旬から3月上旬に渡欧する可能性が出てきた。今回の遠征で初招集したFW久保裕也(20)を来年3月のリオデジャネイロ五輪アジア1次予選(27~31日、マレーシア)で確実に呼ぶため、所属のスイス1部ヤングボーイズを訪れる計画がある。日本代表の国際Aマッチと違い、五輪予選の招集に拘束力がないため、直接出馬する。

 ヤングボーイズが本拠を構える首都ベルンが、就任後初の海外視察になりそうだ。20日、タイ・バングラデシュ遠征から帰国した同監督は「1次予選前に状態の確認をしたい。彼のクラブを訪問するのも1つ」と私案を披露。日本協会関係者は「最大の目的は五輪予選への派遣を確実にするための直談判」と明かした。

 今回はスイスが冬季休暇に入ったため久保を初招集できたが、五輪予選には拘束力がない。3月の1次予選こそ国際Aマッチデー期間と重なり呼びやすくなったが、確実な承諾を得るため足を運び誠意を示す。さらに、Aマッチ期間ではない16年1月の最終予選(カタール)も認めてもらえるよう下交渉も進めていく。

 久保は14日のU-21タイ戦で発熱しながら1アシスト。18日のバングラデシュA代表戦は右太ももを痛めて前半で交代も、手倉森監督が「1ランクも2ランクも引き上げてくれる」とほれ込み、渡欧の思いを強くした。同監督は「かみさんには『1次予選が終わるまで家にいないと思ってくれ』と伝えてある」と、無休で挑む覚悟も決めている。