【セスノック(オーストラリア)6日=高橋悟史、栗田成芳】“センター試験”の倍率激化!

 インフルエンザの影響で出発を遅らせていたMF柴崎岳(22=鹿島)が6日、チームに合流した。4日の練習試合は、中盤で遠藤保仁(G大阪)長谷部誠(フランクフルト)香川真司(ドルトムント)が先発したが交代選手も好プレー。さらに柴崎が合流し、中盤(=センター)の争いは激しさを増す。アジア杯経由W杯行きは過去の実績が物語っており、柴崎にとっても結果を残したい。

 本格的な受験シーズンの到来と同時に、柴崎が合宿地に合流した。病み上がりで約10時間のフライトをこなしたが、疲れた様子を見せず取材に応じた。「遅れたけど、やれることはやってきた。熱もすぐに下がって体調も戻ってきたので、トレーナーと相談しながら体を動かしていた。しっかりと調整していきたい」。元日に目覚めると発熱していたが、すぐに熱は下がった。食事は普段通りで影響は最小限に抑えられた。

 4日の練習試合は、中盤で遠藤、長谷部、香川が先発し、遠藤が先制点を挙げた。交代出場した今野もそつなくプレーし、アギーレジャパン初招集となった清武も1アシストと結果を出した。そこへ柴崎が合流。中盤の3人の枠を巡って、センター試験の競争率は激化した。出遅れた柴崎が、あと1週間に迫った初戦のスタメンに割って入るのは現実的ではない。だがそれは承知の上。「練習も実戦もやれてないけど、やれる範囲で整えてきた。初戦だけじゃない。長い戦いを見据えて準備したい」と3週間の長丁場を見据え、焦らず調整するつもりだ。

 過去のアジア杯において、比較的に代表歴が浅くて活躍したMF登録を見ると、後のW杯だけでなく、長く代表で中核を成した選手ばかりだ。ここで戦力となることが将来へとつながることが証明されており、このセンター試験で上々の結果を残すことが、W杯メンバーへの道でもある。

 チームは6日の完全オフをへて、7日から12日のパレスチナ戦に向けて最終調整に入る。柴崎は「結果、内容ともにいいものにしようと思う。個人としてもいろいろな経験を積みながらやっていきたい」。激戦を突破した先には、明るい未来がある。【高橋悟史】