【シドニー(オーストラリア)21日】日本代表のMF香川真司(25=ドルトムント)が、超過酷日程を乗り越えて4強進出を決める。明日23日の準々決勝アラブ首長国連邦(UAE)戦に向け、航空機で移動後に現地で疲労回復の調整。得点を挙げた前日20日のヨルダン戦から中2日。しかも初戦から12日間で4戦目の強行日程の中、2戦連発に狙いを定めた。

 得点こそがどんな栄養剤より回復効果があった。オセアニア最大の都市シドニーに移動して行われたこの日の練習で、誰よりも生き生きとしていたのが香川だった。前日20日のヨルダン戦で昨年6月以来7カ月ぶりに国際Aマッチで得点を決めた。久しぶりの感触が元気にさせた。ここはラグビーの本場だ。スコアボードにトライ数が記されている練習場で、長友らと談笑しながら中2日で迎える次戦に備えた。

 「マッサージをしたり(栄養)ドリンクを飲んだり、睡眠をしっかり取って、ストレスをなくせばいい。こういう戦い(過密日程)には慣れているんで。マンチェスターにいた頃は、中1日で試合ということもあった。全然、慣れています」

 さすがビッグクラブで2年間過ごした男だ。マンチェスターU時代は、リーグ戦と欧州CLの掛け持ちで、航空機移動を含む中2日での試合なんて日常茶飯事のことだった。イングランド代表FWルーニーら、世界を代表する選手の調整方法を、間近で見てきたという自負もある。昨夏ドルトムントに復帰してからも欧州CLを戦い、連戦に次ぐ連戦だ。それを乗り越えてきたからこそ「ギリギリまで休めば大丈夫」と日程を言い訳にする気はない。

 「昨日のゴールで満足していたら、その先はない。続けないといけない。2列目から(自分が)飛び出していければ、チャンスになると思っているし、タイミングが合えば相手もマークに付きづらい。次から負けられない戦い。得点を続けたい」

 狙うは2戦連発だ。UAEに勝てば、順当なら準決勝は開催国オーストラリア。一時は不振に陥っていた香川が完全復調すれば、日本はさらに強くなる。【益子浩一】

 ◆香川の2戦連発

 香川は中3日の試合で2戦連発を2度記録している。日本代表の国際Aマッチでは14年6月2日コスタリカ戦(3○1)と、同6日ザンビア戦(4○3)でともに1得点。ドルトムントでは10年12月11日ブレーメン戦(2○0)と、15日セビリア戦(2△2)でともに1得点を。中2日の試合は、国際Aマッチで4度、海外クラブでは33度経験しているが、連発はなし。ただ、海外クラブでは中2日で迎えた試合で5度得点している。