日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)に発覚したマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑について、日本協会側が初めて認めた。29日、神戸市内で国際サッカー連盟(FIFA)関連行事に出席した原博実専務理事(56)が「(八百長疑惑と)リンクしている話」と明言。スペイン1部サラゴサ監督だった11年5月に、八百長問題に加えて、倒産寸前だった同クラブの資金洗浄にも関わった疑いがあることを明かした。

 八百長問題に加え、アギーレ監督に新疑惑があることを協会側が初めて認めた。原専務理事はこの日、神戸市内であったFIFAの関連行事に出席。同監督に新たに浮上した資金洗浄について「今回の件はいろいろな要素が絡んでいる。(八百長問題と)リンクしてくる話」と明言。日刊スポーツの取材で発覚した新疑惑について、協会側が認識していることを明かした。

 サラゴサを率いた11年5月に2度、同監督の口座にボーナス名目で計8万5000ユーロ(当時約980万円)が振り込まれ、数日後に同額が引き出されたとされる。スペイン捜査当局は、リーグ最終節(同5月21日)に対戦したレバンテ側に資金が渡った可能性があるとして八百長疑惑でバレンシア裁判所に告発。仮にその資金がレバンテ側でなく、再びサラゴサ側に戻っても、帳簿に記載されずにクラブ側が裏金を作ったとして、資金洗浄の一端を担った疑惑がかかる。実際にサラゴサは同6月8日、倒産に値する「債務の法的整理を目的とした倒産法の適用申請」を行っている。

 原専務理事は「サラゴサが財政破綻しそうで、おかしいということでクラブに(金を)戻したようだ。(八百長と資金洗浄は)違う話ではなく、こっち(レバンテ側)に金がいけば八百長という話」と説明した。

 スペイン各紙は八百長問題の告発を裁判所が受理したと報じているが、協会側はまだ確認できていない。同専務理事は「受理された時点で協会としてどうするか、(大仁)会長も考えている」。さらに解任した場合、後任監督は「協会全体の考えで決めると思う」との方針を示した。