八百長疑惑の告発状受理により3日に解任された前日本代表監督ハビエル・アギーレ氏(56)の後任人事が4日、本格的にスタートした。日本協会は霜田正浩強化担当技術委員長(47)を中心とした技術委員会のメンバーで、監督候補の絞り込みを進める。4月30日にバーレーンのマナマで行われるアジア・サッカー連盟(AFC)の国際サッカー連盟(FIFA)理事選挙に出馬する田嶋幸三副会長(57)もこの日の選挙に関する説明会後、後任監督の早期決定に期待を寄せた。

 日本協会は限られた時間で後任人事に動く。大仁会長が3日の会見で「3月の親善試合には間に合わせたい。そのために、この辺でいいだろうという決め方はしない。これから全力を挙げて探します」と話していたが、解任から一夜明けたこの日も霜田委員長を中心に情報収集が進められた。

 既に欧州クラブで実績を残した監督を優先条件として人選を開始。欧州選手権予選が始まり、各国リーグのシーズン中であるため、後任人事は困難を極める可能性が高い。その中でアギーレ氏同様にW杯での指揮経験があるという理想も条件に含まれる。

 3日の技術委員会で、Jリーグの現職監督の「引き抜き」はしないことが確認されており、基本的には欧州で実績のある外国人のビッグネームの招へいを目指す。交渉の状況に応じて、元鹿島監督のオリベイラ氏(現パルメイラス監督)、前ブラジル代表監督のスコラリ氏(現グレミオ監督)に候補者がシフトされる可能性も残す。近日中に再び開かれる技術委員会で協議される見込みだ。

 この日、田嶋副会長は解任について「このタイミングでしっかり決めていろいろな意味でスッキリしたと思う」と明言。その上で、技術委員会の判断を尊重しつつも「(後任は)今、アポイントメントをとって動いていると思うので、早く決まればと思います」と早期決定に期待を寄せた。3月下旬の親善試合2試合に間に合わせることを考えれば、残された時間は少ない。解任劇で判断の遅れを露呈した日本協会は、この難局を乗り越えるしかない。