16年リオデジャネイロ五輪を目指すU-22(22歳以下)日本代表のシンガポール遠征メンバーと日程が6日、日本協会から発表された。今年初の活動で常連組の18人を選出。14日にU-23シンガポール代表と対戦する。来月27日に開幕するリオ五輪アジア1次予選(U-23アジア選手権予選)に向けた“4カ月連続”暑熱対策の第3弾。予選開催国マレーシアの隣国で順化を図る。3月の直前合宿がクアラルンプールで行われることも決定的となった。

 1カ月半後に迫ったリオ五輪アジア予選へ、メンバー入りが有力な18人が暑熱対策を本格化する。キャンプ視察先の宮崎県延岡市で取材対応した手倉森誠監督(47)は「東南アジアへの移動のシミュレーションと暑熱順化が目的」とシンガポール遠征の意図を説明。予選開催国マレーシアの隣で、シンガポールの2月の平均最高気温は31度(クアラルンプールの3月は33度)、平均湿度83%(同79%)。大差ない環境で予行演習する。

 “4カ月連続”という段階を踏んだ計画だ。昨年12月はタイ、バングラデシュへ遠征した。バンコク滞在時の最高気温は37度。うだるような暑さの中で汗を流し、日本との寒暖差を体に覚え込ませた。1月は手倉森監督とDF植田がA代表のアジア杯に参加。オーストラリアは現在夏で、メルボルンでは最高38度に達した日もあった。同監督は練習時間の変更など柔軟に動く必要性を感じたという。

 春に向かって暖かくなっていく日本とは、たとえ1カ月の変化でも体感温度が大きく異なる。徐々に肌感覚を調整する必要があり、第3弾として今回のシンガポール行きが決まった。3月は、予選開幕直前の16日から直接マレーシアに乗り込んで暑さ対策の仕上げに入る。27日から始まる試合の開催都市がシャー・アラムに決定したため、そこから車で約30分の首都クアラルンプールで直前合宿を行うことも決定的となった。4カ月連続、かつ開幕の11日前に現地入りすることで万全を期す態勢が整った。

 今回は14日にU-23シンガポール代表と対戦。18人全員が出場できるよう申し入れている。指揮官は「予選本番は登録23人。今回の18人で確定したわけではないし、5人の余地もある」と直前まで競争させる構えだ。同時に計画的な気候対策を取り、リオへの第1関門を突破する。【木下淳】<U-22日本代表の“4カ月連続”暑熱対策>▼14年12月

 タイ・バングラデシュ遠征(11~20日)

 14日にバンコクでU-21タイ代表、18日にダッカでバングラデシュA代表と親善試合。▼15年1月

 アジア杯(2~25日)※A代表。手倉森監督とDF植田だけ。

 12日にニューカッスルでパレスチナ、16日にブリスベンでイラク、20日にメルボルンでヨルダン、23日にシドニーでUAEと公式戦。▼2月

 シンガポール遠征(12~15日)

 14日にシンガポールでU-23シンガポール代表と親善試合。▼3月

 U-23アジア選手権予選(兼リオデジャネイロ五輪アジア1次予選=16日~4月1日)

 16日に出国。27日にシャー・アラムでマカオ、29日にベトナム、31日にマレーシアと公式戦。