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オシム監督が離脱阿部の再招集も

協会関係者や一般客に見送られ、宿舎を後にするMF阿部
協会関係者や一般客に見送られ、宿舎を後にするMF阿部

 MF阿部勇樹(25)に代役はいない。日本代表が3日、オーストリア遠征に出発した。急性腰痛と診断された阿部は、ドクターストップがかかり当日に帯同を取りやめた。しかし、オシム監督は日本代表の支柱に欧州での貴重な実戦経験を積ませるため、遠征第2戦の11日(日本時間12日)スイス戦に異例の再招集を検討、あえて追加招集しなかった。阿部は今日4日にも精密検査を受けるなど早期回復を目指す。

 再合流の可能性を秘めた異例の離脱だった。阿部は1日の大宮戦で腰を痛め、前日2日の代表合流初日の練習を休んだ。出発当日の朝になっても状態は好転せず、急性腰痛の診断でドクターストップがかかった。だがオシム監督の阿部への執着は尋常ではなかった。

 オシム監督 阿部はチームの中心の一部だが、そういう事態(離脱)にも対応できないとだめ。阿部がいなくても11人以上の選手がいる。だが阿部のような力を持った選手がいるなら教えて欲しい。

 リップサービスではない。言葉通り代替選手の追加招集はなかった。メディカルスタッフには国内で治療にあたる浦和側と毎日連絡を取ることを指示。森ドクターは「(腰痛が)解決できれば2戦目は出られる。オシムさんは、どうしてもスイスとやらせたいみたいだ」と説明した。

 どうしてもベスト布陣をそろえたかった。就任後初の欧州遠征。特にスイスは06年ドイツ大会を含む8度のW杯出場歴があり、08年欧州選手権開催国として強化が進行中で、8月には強国オランダにも勝利した。結成から1年を経過したオシムジャパンが、欧州の強豪国とどこまで渡り合えるかを監督は見たかった。

 阿部は現体制の17戦中16戦に先発するなど常に戦術の軸に置いてきた。いわば日本代表の支柱でもある。展開次第ではボランチ、ストッパー両方をこなす。現在の日本代表の戦力を測る上で欠かせない存在だった。10年W杯へ向けて強豪国との実戦を経験させておきたいという親心もあった。

 もっとも普段痛みを表に出さない阿部が、腰痛を訴えたのも限界が近い証拠。浦和の仁賀ドクターは「今の段階では試合に出られる状態ではない。最終的には代表ドクターの判断」と慎重だ。宿舎を後にする際に阿部は「早く治して元気な姿を見せられたら」と話した。この日も治療を受け、今日4日にも精密検査を受ける。監督の期待に報いるためにも、1日も早い復帰を目指す。【広重竜太郎】

[2007年9月4日9時31分 紙面から]

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