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体張って胸に穴、荒川魂でリベンジ

ドイツ戦でGKと激突した荒川は肺の辺りを痛そうに押さえる(AP=共同)
ドイツ戦でGKと激突した荒川は肺の辺りを痛そうに押さえる(AP=共同)

 中国で開催中の女子W杯で1次リーグ敗退した日本女子代表が18日、空路帰国した。17日ドイツ戦でGKと接触し、負傷退場したFW荒川恵理子(27)は、肺から漏れた空気が胸にたまる「気胸」と診断され、現地の病院に入院。1人だけ帰国できなかった。しかし、世界トップ国に体を張って立ち向かった「荒川魂」は、傷心のイレブンの胸に大きく響いたようで、FW永里らは北京五輪でのリベンジを誓っていた。

 捨て身のプレーが、失意のなでしこたちを立ち上がらせた。チームが帰国した成田空港のロビー。1人だけ欠けた荒川の姿は、逆にイレブンの心に強く焼き付いていた。ドイツのGKと激突した際、胸部を強打し途中退場。「いつ帰ってこられるか分からないと聞きました。あんな突っ込み方をしたら、ケガをするに決まっているのに…」。2トップを組んでいたFW永里は、しみじみと振り返った。

 荒川は試合中に杭州市内の病院に直行。外傷性の気胸と診断された。呼気が胸腔(きょうくう)内に漏れて肺を圧迫する症状で、飛行機での移動などによる気圧の変化は大敵。医療環境の整った上海に移動し、治るまで帰国をせずに入院することになった。協会関係者は「1週間は移動できないのでは」と説明した。

 悲願のW杯1次リーグ突破のために、何としても点を取りたい―。技術・フィジカルともに世界トップのドイツ相手に、荒川は玉砕覚悟の飛び込みでゴールに迫った。得点力不足に悩んだチームに対して、責任も感じていたかもしれない。MF宮本は「確かに決定力が世界との差として際立ったから」と代弁した。

 しかし、荒川の気迫のプレーは、大きな収穫をなでしこジャパンに残した。永里は「体調さえ良ければ、週末のINAC戦(なでしこリーグ杯準決勝)には出ていいと言われている。私としては、むしろ今日からでも練習したいくらい」。アルゼンチン戦で決勝点を決めた自信に「荒川魂」を加え、決定力不足解消を誓った。

 荒川自身もケガが完治すれば、決定力不足解消のキーマンになる。大橋監督は「世界のトップとやり続けて、背中は見えてきた感じ。あとは五輪に向けて、クラブで個を高めてほしい」と話した。不屈のなでしこたちが、北京に向けて新たな戦いを始める。【塩畑大輔】

[2007年9月19日9時18分 紙面から]

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