U-23(23歳以下)日本代表の唯一の大学生、DF室屋成(21=明大)が、東京からプロ契約のオファーを受けていることが28日、分かった。リオデジャネイロ五輪最終予選を兼ねたU-23(23歳以下)アジア選手権(カタール)ではここまで4試合に出場し、準々決勝イラン戦では延長前半に先制点をアシストするなど大ブレーク。今夏の五輪には“大学生プロ”として臨む可能性が出てきた。

 五輪切符獲得とともに室屋に朗報が届いた。東京からプロ契約のオファーを受けていたことが判明した。明大サッカー部に所属しながら、昨季は日本協会の特別指定選手として東京に登録された。大学4年となる今季に向けて複数のJクラブが獲得に乗り出す中、プロ契約を提示された東京入りを決断すれば、今夏のリオデジャネイロ五輪には大学生プロとして臨むことになる。

 今回、唯一の大学生として出場しているU-23アジア選手権では、右サイドバックで攻守において躍動し、評価を高めた。1次リーグ初戦の北朝鮮戦から、同第3戦のサウジアラビア戦を除く4試合に先発。22日の準々決勝イラン戦では、延長前半6分に右サイドからの左足クロスでMF豊川の決勝弾を演出した。激しい球際争いや、豊富な運動量、両足でボール蹴られる強みを十分に発揮し、今やU-23日本代表には欠かせない存在となっている。

 昨季は明大側の理解とバックアップを得て、特別指定選手として東京に送り出された。公式戦出場はなかったものの、練習からプロのスピードでプレーすることで成長を実感できた。さらに同世代のプロ選手に囲まれるU-23日本代表の活動を通して、プロへの思いは強くなっている。

 城福監督体制となった東京では室屋を即戦力として期待している。オランダのフィテッセに移籍したDF太田が背負った背番号6も空いている。過去にはインテルミラノDF長友が明大に、マインツFW武藤が慶大に籍を置いたまま加わり、ステップアップに成功した。室屋が不安なくプロに飛び込んでいける環境が整っており、東京入りが有力視される。

 ◆室屋成(むろや・せい)1994年(平6)4月5日、大阪府熊取町生まれ。5歳の時にゼッセル熊取FCでサッカーを始め、熊取北小6年までMF南野とチームメート。中学時代はボランチで、青森山田高でサイドバックに転向した。全国高校選手権は3年連続16強。明大進学後は1年時から全日本大学選抜。15年4月からは、大学に所属したままJリーグの試合に出られる日本協会の特別指定選手として東京に登録された。174センチ、65キロ。血液型A。