日本協会の霜田正浩強化担当技術委員長(48)が3日、東京・JFAハウスで取材に応じ、今年8月のリオデジャネイロ五輪出場を決めたU-23(23歳以下)日本代表に、20年東京五輪世代も融合させたい意向を示した。24歳以上のオーバーエージ(OA)枠の使用が焦点となる中、4年後の主力を担う97年生まれ以降の世代から、飛び級で加わる選手が現れることに期待した。

 リオ五輪のキーマンは、東京五輪世代になるかもしれない。4年後の自国開催に備え、今年からU-19日本代表として活動する年代は「23歳以下」としてリオ五輪に出場することもできる。リオに向けては即戦力となる24歳以上のOA枠ばかり注目されるが、霜田氏は「東京世代がリオ世代に入ってくることも、あった方がいい」と“アンダーエージ”の台頭を望んだ。

 出場が23歳以下に制限された92年バルセロナ大会以降、五輪に「飛び級」で出場した日本の選手はアトランタ大会の中田英寿、松田直樹、アテネ大会の平山相太、北京大会の香川真司の4人。中田、松田は続くシドニー五輪で主力となって8強入りに貢献。香川はロンドン五輪に出場しなかったが、A代表の主力に成長していたため免除された形。東京世代がリオ世代に割って入れば、突き上げにも次代への投資にもなる。

 霜田氏は「最年長だからと23歳ばかり集めても先行きが不安になる」とバランスも重視。「今年、高卒でいきなりブレークする選手が出てほしいし、積極的に探したい」と発掘に意欲を見せる。東京世代の当面の目標は17年のU-20W杯だが「その前に、手倉森監督の目に留まって『リオに来い』となれば」。97年生まれの磐田FW小川(神奈川・桐光学園高)や、飛び級で高校生プロになる98年生まれのG大阪MF堂安ら「東京の星」の抜てきにも夢を膨らませた。【木下淳】

 ◆東京五輪世代 五輪男子サッカーは現行通りなら基本的にU-23(23歳以下)で構成されるチームで行われる。20年に23歳以下、97年(平9)1月1日以降生まれが対象。早生まれを除き、基本的には、この春に卒業する高校3年生以下を指す。

<主な東京五輪世代の逸材>

 坂井大将(MF、大分=19)14年W杯に練習生の扱いで同行した

 堂安律(MF、G大阪=17)飛び級で今季トップに昇格した逸材

 神谷優太(MF、湘南=18)青森山田で高校選手権わかせたMF

 杉森考起(FW、名古屋=18)坂井と14年W杯へ。昨季J1デビュー

 小川航基(FW、磐田=18)桐光学園で活躍した世代屈指の点取り屋

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