川崎Fの北朝鮮代表FW鄭大世(25)が、先制点を守りきる「北朝鮮流」で、24日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦G大阪戦(万博)に臨む。17日のW杯アジア最終予選サウジアラビア戦で、44年ぶりのW杯出場を決めた鄭は22日、G大阪戦では川崎Fが得意とする点の奪い合いではなく、手堅い1点勝負を狙うべきと主張した。

 2点取られても3点取って勝つようなサッカーはしたくない。ACL決勝トーナメント1回戦を前にして、鄭はいつになく淡々としていた。非公開で行われた練習後、「G大阪は穴がないから、点の取り合いは危険。うちらしさを出しちゃダメ。リーグ戦と違い、次がないから1点は大きい」と、川崎Fらしさは一時封印すべきと主張した。5日前には、気温40度の敵地サウジアラビアで、守備に比重を置いて0-0で引き分けてW杯切符をつかんだ。1点の重みが身に染みているから、こその発言だ。

 心身ともに疲労が心配されるが「燃え尽きなんて言ってられない」と一蹴した。食事と休養をしっかり取って生活リズムを元に戻した。「(20日の)大分戦で休んで、体は楽になった。前線で守備も頑張る。魂は熱く、頭はクールにね」。鄭が一回り大きくなって、万博のピッチに立つ。