G大阪の「心臓」が大事な試合に間に合った。右太もも裏肉離れで離脱していたMF遠藤保仁(29)が、24日のACL決勝トーナメント1回戦、川崎F戦(万博)に強行先発することが濃厚になった。非公開で行われた23日の練習前に、西野監督と話し合って状態を最終確認し、出場のGOサインが出た。負ければアジア連覇の夢が途絶える一発勝負で、大黒柱が戻ってくる。

 アジア連覇の夢は、遠藤に託された。ウオーミングアップだけ公開されたこの日の最終調整で、遠藤と西野監督がピッチ中央で話し合った。いつもとは違った緊迫感が漂う中で、約4分間の2人だけの即席ミーティングだ。決勝T初戦は一発勝負。敗戦は許されない。大黒柱にかかる期待は、これまで以上に高まる。

 遠藤

 サッカーの話じゃなくて、ちょっとした世間話(笑い)。ボクが言ったら怒られるんで、内容は言えないですけど。そんな大した話じゃないです。

 日本代表としてW杯出場を決めたウズベキスタン戦(6日)後に右太もも裏肉離れを発症し、代表を離脱。10日カタール戦、17日オーストラリア戦はもちろん、20日のリーグ再開新潟戦まで欠場した。試合からは20日間近く遠ざかっており「100%でゲームをやっていないので分からない部分はありますけど、準備はできている。アグレッシブにどんどんやっていきたい」と力を込めた。

 岡田ジャパンの心臓は、G大阪の心臓でもある。一戦必勝の決勝Tでは、まさに血を巡らす役目として遠藤の試合を読む判断力、経験値は欠かせない。さらに今季のACLで5戦8発のエースFWレアンドロが生きるのも、遠藤がいるからこそ。90分で決着がつかなければ延長戦、PK戦と続くため満身創痍(そうい)の体にムチを打ってチームを引っ張る決意だ。

 遠藤

 できれば(川崎Fとは)当たりたくなかった。でも、いいイメージもいっぱいある。

 05年リーグ制覇、07年ナビスコ制覇と、過去2度のタイトルは偶然にも川崎Fを破って手にした。2度あることは3度ある-。そう信じて、遠藤が決戦へ向かう。【益子浩一】