<アジアCL:川崎F3-2G大阪>◇24日◇決勝トーナメント1回戦◇万博

 現実を受け入れることができなかった。終了の笛が鳴るとG大阪西野朗監督(54)は夜空を見上げ、ため息をつきながらベンチ前に立ちつくした。本拠地・万博に響くのは、ブーイングと「10年前の弱いガンバに戻ったのか!」という激しい罵声(ばせい)だった。

 「選手はタフにハードワークをしてくれたが、後半に全体の運動量、連動性が欠けていた。(交代を)引っ張りすぎたなという…戦術的なミスかもしれない。すべてはその(選手交代の)ポイントだった」。自らの采配ミスを責めた。右太もも裏肉離れを発症した遠藤に加え、明神も故障を抱えながら強行先発させた。さらに復帰したばかりの二川、加地。今季初めてベスト布陣を組み、常に先手を奪いながらも突き放すことができない。結果的に西野監督の選手交代も後手を踏み、故障を抱えた選手の消耗度が増した。

 遠藤が言う。「この2週間で1日くらいしか練習はできていなかった。でも、ピッチに立ってしまえば言い訳はできない。非常に残念、悔しい気持ちしか残っていない」。ようやく最強布陣を組んだにもかかわらず、痛恨の逆転負けに西野監督は「この戦力でこれからも(ACLを)戦えないことが残念」。遠藤も「もう、リーグ戦とナビスコ、天皇杯を目指すしかない」と力なく言った。【益子浩一】