定位置は譲らない! 仙台FW陣のポジション争いが激化している。宮崎キャンプ18日目の27日、チームは開幕前最後の実戦を翌日に控え、約2時間の練習を行った。ハーフコートでの紅白戦では、控え組で2トップを組んだFW金園英学(26)とウイルソン(29)が猛アピールした。

 今季はここまで、FWに転向したハモンとサイドハーフも兼任する奧埜の急造2トップが絶好調だが、「勢いには負けられない」と口をそろえる。ウイルソンは12、13年と13得点をマークした点取り屋として、新加入の金園も元日本代表の意地がある。この日の2人のプレーに、渡辺監督も「みんな調子が上がってきて、うれしい悩みだよ」とニンマリ。良い競争でチームの攻撃を活性化させる。

 紅白戦で相手ゴールを脅かすシュートを2度放ったウイルソンは「ベストな状態で開幕戦に臨む準備ができている」と体調万全を強調。全体練習後も居残りでシュートを打ち続け「リーグ戦に向けて精度を高めた。実戦でもしっかりプレーしたい」と、今日28日の練習試合へ気合十分だ。

 一方、守備でもチームに貢献するプレーを見せた金園は「90分しっかり動いて頑張りたい」。普段は陽気キャラだが、21日の広島戦を故障で欠場し「正直、焦りはある」とピリピリムードを漂わせる。だが、相方のウイルソンとは「パスもうまく出し合えている。距離感もつかめてきたのでやりやすくなってきた」と手応えを感じている。山形とのリーグ開幕戦まであと1週間。新生ベガルタの最前線に立つために、本職FWたちが必死にゴールを狙う。【成田光季】