仙台に誤算が生じた。4日、MF金久保順(27)が「左大腿(だいたい)二頭筋肉離れで全治4週間の見込み」と診断されたことが分かった。キャンプ中の先月28日に行われた開幕前最後の練習試合で負傷していた。開幕戦出場は不可能で、復帰は4月以降になることが確実となった。

 金久保は今季、大宮から完全移籍で獲得した技術の高い右サイドハーフ。金久保の加入もあり、渡辺監督はMF奧埜を「FWで考えている」と右サイドから2トップの一翼にコンバートした経緯がある。右SHでの開幕スタメンをMF茂木と争っていた金久保の離脱で、チームの危機感は一気に増した。

 この日早朝、急きょ練習場所を泉サッカー場から、車で約15分離れた紫山サッカー場へ移した。異例の会場変更に伴い、練習は非公開となり、報道陣もシャットアウト。渡辺監督は「昨晩の雨で泉(のグラウンド)は水たまりがひどくて」と理由を説明したが、雨によるグラウンド不良を理由に急きょ、練習場所を紫山に変えたのは初めて。紫山にはまだ雪が残っていた。

 練習内容について、ある選手は「ナベさん(渡辺監督)も山形対策は考えてくれている上での今日の練習だったと思う」と話した。練習を非公開にし、山形対策として攻撃面に関した練習に取り組んだ可能性は大きい。当初の予定では、開幕前の非公開練習は今日5日の直前練習のみだった。故障者も相次ぎ、いやでも緊張感は高まる。主将のMF富田は「試合が近づいてきたなと感じる。山形をゼロに抑えて勝ちたい」と真剣なまなざしで開幕戦を見据えていた。【成田光季】