J2からの昇格組が残留の厚い壁に挑む。J1は明日7日に各地で開幕する。過去、J2から昇格したチームの約41%が1年で再び降格した。J1初挑戦の松本を率いる反町康治監督(50)は「日本のトップ15」の目標を掲げてJ1定着を狙う。

 松本は開幕戦のアウェー名古屋戦に向けて静岡県内で最終キャンプの真っ最中だ。4季目となる反町監督は「開幕直前が一番大事な時期」と位置付け、この日と今日6日は非公開練習。入念な映像分析に基づいて攻略法を伝えたとみられる。「マジックはできませんから。今まで持っている力を発揮できるかどうか。楽しみ」と話している。

 1月、約1500人のサポーターが集結した新体制発表会で「日本のトップ15に入る」と目標を発表した。その意図を「上を目指したいけれど、我々は人材を含めて足元をみつめるチーム。実現可能な目標を立てた」と説明する。15位以内に入る=J1残留だが、あえて言い方を変えた。「新参者として、臆することなくJ1で大暴れしたい」と力を込めた。

 監督業を始めて15年目。Jリーグの昇格、降格の経験を積んできた。01年、当時J2の新潟の監督に就任し、03年に優勝してJ1に昇格。05年まで率いて、J1に定着を続けている礎をつくった。09年からは当時J2の湘南へ。同年にJ2で3位となって昇格したが、1年で降格。残留争いの難しさはよく知っている。

 今季の命運は開幕戦に懸かっていると言っても過言ではない。勝てばデータ上は残留率100%。残留に必要なことは? と聞くと「それが分かっていたら、教えてほしいよ」とけむに巻いた。名古屋戦については「(監督の)西野さんが笑うから話せません」と反町節でかわしたが、知将の頭脳にはアイデアが詰まっている。【保坂恭子】