伸二の分まで竜二が引っ張る! J2札幌MF河合竜二(36)が5日、今季主将に決まった。11年から5季連続となり、自身の持つクラブ最長&最多記録を更新。バルバリッチ監督(53)からプレー、メンタルの両面で厚い信頼を受けており、続投が決まった。沖縄、熊本合宿で同部屋だったMF小野伸二(35)は左膝内側半月板損傷で開幕絶望。ピッチに立てない友の思いも背負い、チームの柱として開幕戦勝利に導く。

 抜群のリーダーシップで、今季もチームをまとめあげる。5日の練習前、河合はバルバリッチ監督から主将続投を言い渡された。加入した11年から5年連続のミッションに「任されるのはありがたいこと。この役割をしっかりやっていきたい。今年こそJ1に上がるしかない」と強い覚悟を口にした。

 合宿途中で戦列を離れた後輩のことが、頭から離れない。2月26日、山口との練習試合。順調に調子を上げていた小野がプレー中に左膝を負傷、左膝内側半月板損傷で開幕戦出場が絶望となった。1月26日に始まった沖縄、熊本合宿の約4週間、同部屋で過ごし、サッカーからプライベートまで語り合ってきただけに、河合にとっても大きなショックだった。

 小野は昨季途中、浦和時代の1年先輩、河合の呼びかけがきっかけで札幌に加わった。だが、膝の負傷で出場は7試合。雪辱を期す今季は開幕からフル稼働したいという小野の思いを、よく知っていた。だからこそ「伸二本人が一番、残念に思っている。戻ってくる時にチームがいい状態であるよう、試合でベストを尽くしたい」と誓った。

 指名したバルバリッチ監督は「影響力がありプロフェッショナルな姿勢が主将にふさわしい。必然だった」と説明した。今季は副主将は決めずに、河合がケガで先発出場できないときに随時、ゲームキャプテンを決める方針。現時点では昨季痛めた左アキレスけん痛は「落ち着いている」と話しており、開幕は3バック中央での先発が濃厚だ。

 「開幕にかける思いは強い。スタートダッシュは大切」。昨季開幕は1-0リードの後半途中から出場し気合を注入、難敵磐田討ちに貢献した。今季はキックオフから冷静にチームをコントロールし、3年連続の開幕戦勝利につなげる。【永野高輔】

 ◆河合竜二(かわい・りゅうじ)1978年(昭53)7月14日、東京都出身。西武台高(埼玉)で95年総体準優勝。卒業後に浦和入りし、横浜、札幌。J1通算171試合9得点、J2通算102試合2得点(昨季は31試合1得点)。183センチ、75キロ。MF登録、背番号4。