仙台のルーキーMF茂木駿佑(18)の開幕スタメン出場が濃厚になった。チームは5日、山形とのみちのくダービー決戦の地、ユアスタで非公開練習を行った。茂木は紅白戦でも主力組でプレーした模様で、高卒新人での開幕戦先発となれば、クラブではMF富田晋伍主将(28)以来2人目。J1昇格後では初の快挙となる。

 強心臓のルーキー茂木が開幕戦で大暴れする! ユアスタでの練習は、冒頭20分間のみの公開で“ナベのカーテン”が敷かれるピリピリムード。約2時間、対山形にフォーカスした内容に取り組み、紅白戦も行われた。茂木については、複数の選手とクラブ関係者が「主力組だった。(開幕スタメンの)可能性は十分ある」と話した。

 仙台の一員としてユアスタのピッチに立った茂木は練習後、「いよいよだなという感じで楽しみです。雰囲気や芝の感触も確かめられた」と笑顔で話した。キャンプから存在感を示してきた。練習試合でも3戦で1本目から出場し、大分戦ではゴールも決め猛アピール。高い技術と正確なキック、先輩を差し置いてプレースキッカーを買って出る心の強さも兼ね備える。この日、渡辺監督も「(入団からの)短い間でも成長を感じる。(キャンプでは)ピッチでやれるという自信をつけたと思う」と評価した。

 10年前の05年にクラブ初の高卒新人開幕スタメンを勝ち取った富田とは、第1次鹿児島キャンプでは同部屋だった。今季は主将も務める富田は「1年目にしては度胸もあるし頼もしい。良いものを持っているので、開幕でもあのままやってくれれば心配はない」と話した。

 茂木のほか、直近の練習で別メニューなど不安視されていたMF野沢、DF渡部らも開幕スタメン入りへ足場を固めた様子。野沢は「(体は)大丈夫。開幕は何歳になっても難しいが、初めてのダービーは楽しみ。負けられない」と意気込む。渡部は「いい状態でピッチに立てると思う」と試合を心待ちにする。決戦を迎える準備は整った。山形を倒し、開幕ダッシュを決めてみせる。【成田光季】

 ◆茂木駿佑(もてぎ・しゅんすけ)1996年(平8)10月2日、東京都文京区生まれ。小1でサッカーを始める。小3から中3年時まで柏ジュニアユース、高校から仙台ユース所属。14年4月に2種登録され、今季仙台入団。168センチ、64キロ、A型。右利き。家族は両親と姉。

 ◆高卒新人のJ1開幕戦スタメン 仙台の高卒新人がJ1開幕戦で先発となればクラブ初。他チームでは、94年のFW城彰二(市原)95年のDF松田直樹(横浜M)98年のMF遠藤保仁(横浜F)98年のMF小野伸二(浦和)05年のMF本田圭佑(名古屋)06年のDF内田篤人(鹿島)など、のちに日本代表の主力となる選手が多数記録。94年の城はゴールも決めている。先発ではなかったが、98年のFW高原直泰(磐田)と01年のDFトゥーリオ(現闘莉王、広島)は途中出場でゴール。茂木が得点を挙げれば、史上4人目の高卒新人開幕戦ゴール(新卒ながら前年トップ昇格選手は除く)となる。