山形のルーキーDF高木利弥(22=神奈川大)が、今日18日のナビスコ杯ホーム清水戦で先発デビューすることが確実となった。17日の紅白戦では主力組の左ウイングバックでプレー。元日本代表FW高木琢也氏(47、現J2長崎監督)を父に持つレフティーが、ケガ人続出のチームを救う。

 山形の将来を担う新人が、今季ホーム初戦でプロデビューを飾る。紅白戦で主力組のビブスを着た高木は、左サイドで周囲との連係を入念に確認。持ち味の積極的なドリブル突破を見せるなど臨戦態勢を整えた。スタメン抜てきが濃厚となった22歳は「初めての試合がNDスタで少し緊張するかもしれないけど、できることを精いっぱいやりたい」と目を輝かせた。

 今季初勝利とともに、レギュラーの座もつかみ取る。リーグ戦連敗スタートとなったチームは、右ウイングバックの山田と宇佐美が相次いで膝の靱帯(じんたい)を損傷して長期離脱。左サイドが主戦場だったボムヨンを右に回し、開幕2戦はメンバー外だった左利きの高木にチャンスが巡ってきた。清水戦後は中3日でリーグ川崎F戦が控えているだけに「リーグ戦も出られるように、しっかりアピールしたい」と気合十分。過密日程を考慮して14日の浦和戦から大幅にメンバーを入れ替えて臨む可能性が高いが、石崎監督は「(高木は)早く戦力になってもらわないと困る。自分らしさを出してくれればいい」と今後への期待も込めて送り出す構えだ。

 キャンプ時から「親の七光でプロに入ったという目で見られたくない」と言い続けてきた。父との連絡は、あえて取っていない。「結果を出せば自然と伝わると思う。攻撃面が特長だと思っているので、がむしゃらにチャレンジして勝ちに貢献するだけ」。若きサイドバックが嫌な流れを断ち切り、公式戦初白星に導いてみせる。【鹿野雄太】

 ◆高木利弥(たかぎ・としや)1992年(平4)11月25日、広島県生まれ。98年に父の移籍に伴い東京・世田谷区に転居し、小1から和光FCでサッカーを始める。中学では東京U-15深川に所属。帝京高では1、2年時に全国選手権出場。神奈川大4年だった昨年7月に山形の強化指定に登録され、今季から加入。家族は両親と妹。178センチ、72キロ。血液型O。