6年ぶりの優勝を目指す東京のMF石川直宏(33)が、公式戦1年4カ月ぶりのゴールで今季初勝利を呼び込んだ。1点を追う後半20分、ドリブルで持ち込んで豪快に決めた。

 ゴールの場所は体が覚えていた。1点ビハインドの後半20分、石川は右からドリブルで中へ切れ込んだ。左、左をボールを運び、左足で放ったシュートは鋭角に、右へ。「あそこから仕掛ける感覚は、自分の中にある。いかにいい状態でシュートを打てるか」。公式戦では13年11月のリーグ柏戦以来、1年4カ月ぶり。本拠地・味スタでのゴールは同年5月の磐田戦以来1年10カ月ぶりとなった。

 左足首、ヘルニアの手術と、けがに苦しみ昨季は万全の状態から程遠かった。「普通にプレーできるくらいになれたかな」と迎えた開幕からリーグ2試合ベンチ外。2日前にフィッカデンティ監督から先発の可能性を告げられ、貴重な同点弾で今季初勝利をもたらした。これでリーグ戦での出場機会も増えていくはず。「今日は周りに刺激を与えられたと思う。優勝するにはチームが1つにならないと」。09年以来のナビスコ杯タイトルを見据えた。