横浜がホームで鳥栖を下し、今季公式戦初勝利を挙げた。鳥栖は開幕からのリーグ連勝が2で止まった。

 勝負のポイントは90分のゲーム、その開始直前にあった。

 トスに勝った横浜のゲームキャプテン、DF中沢佑二(37)は風上を選択した。いつもと違い、前半はホームのサポーターが陣取るゴール裏に向かって攻める形となった。中沢は試合後に理由を説明した。「前半から鳥栖に押し込まれたくなかったので、風上を取った」。GK榎本哲也(31)と話し合って出した結論だったという。

 前半は0-0。危ない場面はなく、相手に追い風というメリットを与えず、封じることに成功した。

 風下に回った後半に先制。逃げ切り目前の同45分、今度は追い風を受けて攻めていた鳥栖のFW豊田陽平(29)にあわや同点というヘディングシュートを許してしまった。ただ、ここはGK榎本がスーパーセーブ。その後方、ゴール裏には、いつもの後半ならいないはずの頼もしい横浜サポーターがいた。

 DF栗原勇蔵(31)は、実感を込め口にした。「サポーターが後ろにいてくれたから、守れた。悪くないね。(後半)守る時に後ろにいてくれるのは」。チームきってのファイターは“12番目の選手”への感謝を素直に口にした。

 試合前に中沢が下した判断により、前半の相手の攻撃を風とともに封じ、後半のピンチを後方のサポーターとともに封じることができた。

 試合前のトスに勝って、鳥栖に勝った-。そんな今季初勝利だった。