高知県から初のJリーグ入りを目指す四国リーグのアイゴッソ(i)高知が、“募金”でJリーガーを獲得した。元広島でU-21(21歳以下)日本代表経験を持つ、前J3鳥取MF横竹翔(25)の入団を25日、発表した。

 知恵を絞って変革に乗り出す心意気は、まさに「龍馬魂」だ。J1より4つ下のカテゴリーにあたる四国リーグに属する高知が、斬新な企画で強化に成功した。昨年12月からネットを通じて多数の人から出資を募る「クラウドファンディング」を活用し、有能選手獲得を模索。Tシャツやタオルマフラーなどと引き換えに資金を募ってきた。

 幕末時に国の将来のために全国を回った坂本龍馬のように、2月には担当者が関東まで出向き、東京県人会にも協力を依頼。その努力が実り、3カ月で計515人から323万9000円を集めることに成功。希望通りに、Jリーガーの横竹が加わることになった。C大阪、京都でも指揮を執った西村昭宏監督(56)は「戦力補強を図っていただき、責任も感じる。期待に沿えるチーム作りをしたい」ときっぱり。U-21代表時に同監督に指導された横竹は「自分の持っているものを伝えて、レベルの高いチームにしたい」と話す。今季目標はJFL昇格。募金パワーで高知県民の願いをかなえる。