昨年の借りを返す。J2札幌は25日、札幌宮の沢で戦術練習を行い、DF福森晃斗(22)が主力組左MFに入った。29日のアウェー大宮戦は4戦連続の先発が濃厚。川崎F時代の昨年3月15日の対戦では、自身の対応ミスで2失点しており「もう、あのようなことは二度としたくない」と、約1年ぶり再戦での雪辱を誓った。

 後半土壇場の劇的な45メートルのロングシュートでホーム初勝利に導いたヒーローが、今度は因縁の相手から得点を奪う。J1から降格してきた難敵と対戦。「前回と同じ中盤で出るならゴールに近い。チャンスがあれば、得点に絡むプレーを目指したい」と前を向いた。

 どうしても負けられない。昨年初先発の大宮戦で大失態を犯した。左サイドバックで出場し前半4分、CKでマークしていたDF菊地にヘッドで押し込まれ先制点を許し、29分にはMF家長の個人技に翻弄(ほんろう)され2点目を献上した。「久しぶりの先発で気持ちが後ろ向きになっていた」。前半45分で交代させられた屈辱をバネにする。

 NACK5スタジアム大宮での一戦には、実家の神奈川から父政之さん(53)母友子さん(49)が観戦に訪れる。福岡戦後に届いた元札幌MF山本ら、古巣川崎F同僚からの祝福メールも励み。「しっかり準備して、勝利に貢献したい」。開幕栃木戦の先制点から、チームの計4ゴールのうち3得点に絡む陰のキーマンが、2連勝へと導く。【永野高輔】