横浜FCのFWカズ(三浦知良=48)が、流血奮闘も今季初黒星を喫した。アウェーC大阪戦で2戦ぶりに先発復帰し、前半5分に相手のスパイクが顔を直撃して左顔面から出血。包帯をグルグル巻きにして後半12分までプレーした。今季初得点はならず、チームも敗戦。それでもカズは、新生日本代表入りを熱望した。

 カズが芝生に崩れ落ちた。開始5分。低空のボールを競り合おうと頭から突っ込んだ。不運にもC大阪DF染谷のスパイク裏のポイントが直撃し、左目の横から流血した。1度は外に出たが、3分後に包帯をグルグル巻きにしてピッチへ。後半12分まで駆け巡った。「こんなケガもサッカー選手という感じでいい。逆に充実感が湧いてくる。彼(染谷)も生活を懸けて試合をやっていますから。当たり前のことです」。交代時には敵地で拍手を浴びた。「負けたことも交代も残念」。今季4戦目で3度先発も得点がない現実に悔しさが募った。

 27日チュニジア戦で岡崎がカズの持つ記録を抜き、FW歴代最多の国際Aマッチ90試合出場を達成した。「僕は89試合。また代表に呼ばれて逆転しないといけない」。赤黒く腫れた頬をさすりながら、カズは充実感に浸った。