ユアスタで、ナンバー“ワン”になる! なでしこリーグ仙台レディースのMF嘉数飛鳥主将(26)が、5日のホーム開幕戦(対新潟)へ燃えている。今季から初めてキャプテンに就任し、平日は犬好きがこうじて仙台市内「パセリ動物病院」での勤務もスタートさせた。ピッチ内外で心機一転した技巧派MFは「ゴールをたくさん取って、リーグ優勝を目指す」と意気込んでいる。

 嘉数が本拠地を沸かせる。新潟戦を4日後に控えた1日、チームは10対10のゲーム形式の練習などで調整。嘉数は主力組右サイドでプレーし、積極的にシュートを放つなど存在感を発揮した。ユアスタでの今季ホーム初戦へ「自分の持ち味を発揮して勝利に貢献できれば」と15年初白星を挙げることを誓った。

 挑戦のシーズンが始まった。今季から主将に就任。昨季7位に沈んだチームの立て直しへ、リーダーとしての自覚を胸に戦う。「得点も取れてパスも出せる選手が理想」と、J1で戦うトップチームのホーム戦には必ず足を運んで勉強。収穫をチームに還元する。

 ピッチ外でも新たな1歩を踏み出した。今年2月から、同郷の沖縄出身で仙台サポーターでもある吉田豊さん(63)が院長を務める「パセリ動物病院」で勤務を始めた。看護スタッフとして、犬や猫などペットの治療や検査のサポート役をこなす。「仕事は大変だけど、犬が大好きなので楽しい」。私生活でも愛犬と同居中で、将来は資格を取得することも検討中という。

 持ち前の明るさで、院内では早くも人気者に。待合室では「試合、頑張って下さい」など多くの人から声をかけられ、「たくさんの人から応援されてるんだなと感じる」と“本職”での決意を新たにしている。平日の昼間は白衣で勤務、夕方はベガルタジャージーで練習。二足のわらじをはいて戦う嘉数は「サッカーも病院も、両方とも懸命に頑張っていきたい」。その第1歩として、まずはホーム初戦で結果を出す。【成田光季】

 ◆嘉数飛鳥(かかず・あすか)1989年(平元)3月18日、沖縄県那覇市生まれ。小4から琉邦FCでサッカーを始める。鹿児島・鳳凰(ほうおう)高2年時には、沖縄県初のサッカー女子世代別代表選手としてU-17アジア杯に出場し優勝。武蔵丘短大を経て09年に東京電力マリーゼ入社、13年から仙台レディース所属。憧れの選手は仙台MF野沢。163センチ、52キロ。家族は両親と姉。血液型B。