本気こそが恩返し! 浦和DF那須大亮(33)が先輩ゆかりの昇格組に全力で立ちふさがる。4日にリーグで松本と対戦。分析が万全なのか「とにかくロングボールを蹴ってくるのでセカンドボールをしっかり拾いたい。相手はセットプレーが武器なのでその機会自体を与えないのも大事」とよどみなく答えた。練習終了後には、ロングボールをヘディングではね返す居残り練習も行った。

 松本は11年に急性心筋梗塞で死去した、元日本代表DF松田直樹さんの最後の在籍クラブ。那須はプロ入り直後、横浜で松田さんと一緒にプレーし、03、04年とリーグ連覇を果たした。大事な試合の開始直前になると、那須は「思い切り張ってこい!」と言われた。

 松田さんのほおを全力で平手うちし、自分も全力でぶたれる。響き渡るさく裂音に驚く周囲を尻目に、2人は勇躍しピッチに入っていった。「気合が入りました。本気でやらないと意味がない」と振り返った。

 今回も同じだ。本気でやらないと意味がない。那須は松本戦に向け「走り負けてはいけないし、球際も厳しくいく。短期決戦の2ステージ制は一発勝負の繰り返しのようなもの。負けは許されない」と表情を引き締めた。全力で戦ってこそ、お互いを高め合うこともできる。松田さんの教えを、時を超えて体現する。【塩畑大輔】