浦和が川崎Fキラーの神通力で、4年ぶり鬼門勝利を狙う。12日に川崎F戦と対戦。同カードの敵地でのリーグ戦は11年7月を最後に、1度も勝利していない。そんな苦手の一戦で活躍が期待されるのが、MF宇賀神友弥(26)だ。

 10日の練習。宇賀神はミニゲームで果敢にゴールに迫った。左膝痛から回復間もないため、中3日での連戦となった8日北京国安戦を回避していたが、川崎F戦を前にしっかりとコンディションを上げてきた。

 ナビスコ杯では12年に、3-0で勝った。2得点で勝利の立役者になったのが宇賀神だった。4日の松本戦でも、スプリント回数(時速24キロ以上)チームトップの27回を記録し果敢に攻撃参加。後半29分には、左ウイングバックながらスルーパスに飛び出し、GKと1対1でシュートを放った。得点の予感は強まる。

 神の目で、戦局も正確に見通す。J3までくまなくテレビ中継を見て、チーム戦術や選手の最新情報を網羅する。代理人にまで「めぼしい有望株はいないか」と聞かれるほどだ。当然、川崎Fも分析済み。「相手が前にプレスに来るところを狙って、(大久保)嘉人さんやレナトが前線に出てくるのに注意。でも攻撃的に来てくれるチームの方が崩しやすいのもある」と今季最多9得点の相手とのガチンコ勝負に意気盛んだ。

 「宇賀神」とは水をつかさどる神様。蛇のような姿をしているとされる。攻守に走り回る“水を運ぶ役”宇賀神のプレースタイルそのものだ。そして敵陣をスルスルと蛇のように抜け、ゴールという獲物を仕留める。サイドの神様が、敵地での負の連鎖に終止符を打つ。【塩畑大輔】