連覇に挑む浦和がAS埼玉との「埼玉ダービー」に快勝し、今季初勝利を挙げた。前半29分に先制点を奪われたが、FW吉良知夏(23)の2得点などで逆転。昨季なでしこジャパンで5得点を奪った点取り屋が、6月開幕の女子W杯カナダ大会メンバー入りにアピールした。新潟も1-0で岡山湯郷に勝ち、こちらも初勝利となった。

 FW吉良が苦しむ仲間を救った。0-1の前半40分、右からのFK。DF栗島の鋭く低いクロスに「目があった。ここに蹴ってくれと思って走った。合わせるだけでした」。右足で豪快に決めた。2-1の後半27分にも、逆転ゴールを決めたMF岸川のパスを冷静に左足で蹴り込み2点目。「流れも悪く、勝っていなかったので、結果が出てよかった」と喜んだ。

 昨年は日本代表として結果を出した。3月のU-23ラマンガ国際ではイングランド相手に2得点し、初のA代表へステップアップ。5月の女子アジア杯ヨルダン戦で2得点すると、9月のアジア大会でも3得点した。だが今年3月のアルガルベ杯に招集されない悔しさを味わった。「得点が一番、監督の目にとまる。W杯の代表に入りたい」。5月上旬の発表まで、量産し続けるしかない。

 先月上旬に鼻骨骨折し、ようやく初先発した。「小学生以来2度目なんですけれど、今回は鼻が曲がってしまいました…。女子としては、うわあ~って感じでしたけれど、今日の得点で(心も体も)吹っ切れました」。得点力に加え、新たなチャーミングポイントも得た笑顔がキラキラと輝きを増した。【鎌田直秀】