救世主で終わるつもりはない!! 清水FW沢田崇(23)は22日のナビスコ杯仙台戦で決勝点を挙げ、チームの連敗ストップに貢献した。一躍ヒーローとなった沢田は23日に静岡市内で練習を消化。25日の広島戦は移籍後初めてリーグ戦でメンバー入りする可能性が高く「入れるようにアピールしたい」と静かに闘志を燃やした。

 仙台戦では後半29分から出場し、わずか3分後に決勝点をマーク。結果を残した沢田に対し、大榎克己監督(50)も「ようやく自分の良さを出してくれた」と絶賛した。今季J2熊本から加入したスピードスターは初の移籍で戸惑いもあったという。本来は積極的な突破を武器としているが、普段の練習中でも持ち味を発揮できず「目の前のDFを抜けるかどうかもわからなかった」と苦悩を明かした。

 ただ、結果を残したことで迷いはなくなった。「個人としても自信がついた」と、自らのゴールでチームの連敗もストップ。普段は照れ屋でもの静かな男も、すでに臨戦態勢に入っている。この日は練習前のミーティングで広島の試合をビデオで分析。「3バックの脇が空くので、そこをどんどん突いていければ」とイメージをふくらませた。

 チームは開幕戦以来の勝利を挙げたが、リーグ戦に限れば4連敗中と決して気を抜けない状況だ。沢田は「試合に絡めるチャンスをつかめるように頑張りたい。出たら自分のプレーをするだけ」とキッパリ。勢いそのまま先発の座も狙っている。【神谷亮磨】

 ◆沢田崇(さわだ・たかし)1991年(平3)5月26日、熊本県生まれ。大津高3年時は全国選手権4強。中大を経て、14年に熊本入団。J2通算40試合9得点。170センチ、63キロ。血液型A。