「持ってる」男が決勝トーナメント(T)へ導く! 今日6日に23歳の誕生日を迎えるG大阪FW宇佐美貴史が、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ最終節城南戦(万博)での祝砲を宣言した。10、11年にも1次リーグ突破を決める一戦で得点を挙げ、さらに昨年は誕生日のリーグ戦で決勝点を挙げている。勝てば決勝Tが決まる誕生日の一戦は、この男にあつらえ向きだ。

 初夏のような暑さの中、宇佐美の闘志もメラメラと燃えていた。この日は万博練習場で冒頭15分間のみ公開された練習で調整した。決勝T進出が懸かるACL城南戦は23回目のバースデー。「ゴールを自分で決めて祝う形を作りたい。勝って決勝T進出を決められれば自分への一番のプレゼントになる」と宣言した。

 昨年の5月6日も忘れられない。開幕前に左腓骨(ひこつ)筋腱(けん)脱臼で全治8週間の大けがを負い、先発復帰戦が22歳の誕生日だった。ホーム徳島戦で、結婚記念日も合わせた「トリプルお祝い弾」を決めた。「チームもここから乗っていった。直近では一番印象に残っている」。この試合からチームはリーグ17勝3分け3敗と勢いに乗り、優勝まで突っ走った。

 ACLも節目で決めてきた。高校2年だった09年は、FCソウル(韓国)戦で公式戦デビューし、ゴール。翌10年には、1次リーグ突破が懸かる水原(韓国)戦で、後半ロスタイムに劇的V弾を放った。11年も天津泰達(中国)戦でダメ押しPKを決め、G大阪を4年連続の決勝T進出へ導いた。「持ってるというか。こういうイベントごとにはいつも決めてきた」。今年も再び舞台が訪れた。

 2連敗からスタートした1次リーグも、勝利すれば無条件で突破が決まる。長谷川監督は「貴史には毎試合期待している。持っている力を出し切って欲しい」。宇佐美も「決められると思うし、決めないといけない。ACLは今、一番欲しいタイトル」。7年ぶりのアジアの頂点を目指すため、エースが大一番で主役の座を勝ち取る。【小杉舞】

 ◆G大阪の行方 1次リーグ最終節の城南戦に勝てば、勝ち点10となり無条件で突破が決まる。勝ち点で並ぶ可能性のあるブリラムとは当該同士の対戦で優位に立っており、G大阪は引き分けの場合でも、他会場のブリラムが広州富力に引き分け以下なら突破が決定。G大阪が負けても、ブリラムが敗戦なら決勝T進出となる。