正念場で体を張る! 仙台のDF二見宏志(23)が、今日6日のホーム東京戦で今季初めて先発出場することが5日、濃厚となった。チームはリーグ戦4連敗中に加え、DF陣が負傷者や出場停止も含め駒不足の大ピンチ。二見にとっては急きょ巡ってきたチャンスで、大学選抜時の“元チームメート”東京FW武藤嘉紀(22)との初対戦。日本代表FWのシュートと、連敗の両方をガッチリ止める活躍を誓う。

 ピンチはチャンスだ。二見は笑顔で練習場から出てくるなり、「やっとですよ。ほんまに頑張ります」。ナビスコ杯では2戦に出場もリーグ戦は出場すれば今季初。鎌田が前節広島戦で負傷し、渡部が累積警告で出場停止と、主力センターバック2人が同時に不出場となるDFラインの危機。この日の紅白戦では1本目から右SBに菅井、二見は左SBでプレー。積極的に前方のMF野沢にパスをつなぐなど、攻守で存在感を発揮した。

 待ち焦がれた先発出場の好機で、大学選抜時代ともに戦った相手エース武藤とJ1で初対戦する。「久々の先発で(武藤と)やれるのは楽しみ。ゼロに抑えられたら」と気合十分だ。武藤とは「食事もする」仲でよく知る存在。しょうゆ顔イケメンでも注目を集める旧友について「世間で言われているほどさわやかじゃないですよ」。二見には全部が“お見通し”で「性格も分かるので、どういう動きをしてくるかだいたい分かる」とまで言った。

 一方で「今やあっちはスーパースターですから」。ルーキーだった昨季、開幕スタメンを勝ち取るも、以後は出場機会が減り、右膝外側軟骨損傷で手術も経験するなど苦労した。武藤と差がついたことへの悔しさや、昨季からくすぶっていた試合への思いをぶつける時だ。「勝負になったら負けられない。チームは連敗しているので勝たないと」。チームを救う活躍で、今後の定位置争いへのアピールにもするつもりだ。【成田光季】

 ◆二見宏志(ふたみ・ひろし)1992年(平4)3月20日、大阪府生まれ。奈良育英高を経て阪南大へ進み2年時から全日本大学選抜入り。13年夏のユニバーシアードでは銅メダル獲得。179センチ、75キロ。