鳥栖のエース豊田陽平(30)が6試合連続ゴールを決め、偉大な記録に向けてまた1歩前進した。1点を追う前半43分、右CKのチャンスで相手2人からマークを受けた。それでも「2人なら大丈夫だと思った」。強靱(きょうじん)な肉体で相手を振り切ると、ピンポイントのボールに打点の高いヘディングで合わせて同点弾。おなじみの「飛行機ポーズ」を見せ、仲間と喜びを分かち合った。

 後半も前線で積極的にボールを受けて起点を作るも、またしても勝てなかった。エースが好調を維持する一方でチームは4戦勝ちなし(3分け1敗)。自らのゴールが勝利に導かない状況に「自分が取るよりも、取れなくて勝った方がいい」と満足はしなかった。

 とはいえ、日本代表FW宇佐美が記録した6戦連発に並び、Jリーグ記録の8試合連続得点まであと2に迫っている。先月11日に30歳の誕生日を迎え、ベテランの仲間入りを果たしたが「スポンジのように何でも吸収したい。その気持ちは衰えていない」と向上心は尽きない。記録への挑戦も「チャンスなので楽しみな部分ではある」。代表復帰も見据えるエースの勢いは止まりそうもない。

 ▼J1連続試合ゴール 鳥栖FW豊田がリーグ戦6試合連続得点。J1で6試合以上連続ゴールは、今季のG大阪FW宇佐美(6戦連続)に次いで史上19人目(21回目、中山雅史とマルキーニョスが各2回)。鳥栖では初。クラブ別回数はG大阪が最多7回、東京V、横浜、磐田が各3回、浦和、鹿島、清水、C大阪が各1回となっている。なお、連続試合得点のJ1最長は元スペイン代表FWサリナス(横浜)が97~98年に記録した8戦連続。2位の7戦連続は過去5人。