東京が苦しみながらもドローに持ち込んだ。1点ビハインドの後半ロスタイムに途中出場のFW林容平(25)が決めた。過密日程でも、主力の起用が続き疲労感を隠せない中、アシストのMF三田啓貴(24)とともにフレッシュな顔ぶれが得点に絡んだ。

 主将の日本代表DF森重真人(28)は「連戦が続いて多少(疲労が)あると思う。好不調の波も出てくる中で、自分でモチベーションを見つけていくことが大事」と奮い立たせた。この日の相手はリーグ戦で今季初黒星を喫した広島。4月18日のホーム戦(1●2)で決勝点を決められたU-22日本代表FW浅野拓磨(20)と何度もマッチアップした。

 前半から球際に激しくチャージ。後半8分にはスルーパスを通されながらも、スライディングでブロックした。さらに同18分には、向かい合っての1対1の局面で体を入れてボールを奪った。スピードを得意とする新星FWに仕事をさせなかった。「スペースを与えたらスピードを生かされてしまう。逆に与えなければいいところは出させない」。リーグ戦ではスピードに乗ったドリブルで突破を許したが、この日は先手を打ち、ことごとく封じた。

 森重自身、2世代前の08年北京五輪代表から成り上がって昨夏W杯ブラジル大会に出場した。不動の代表選手として、東京をけん引する立場。若きFWに、まだまだ負けていられない。