移籍が決まった東京FW武藤嘉紀(22)が、マインツから“特別休暇”を与えられ合流することになった。マインツ関係者によると、今季開幕から東京と日本代表でフル稼働し、疲労困憊(こんぱい)のためJ1の第1ステージ終了後、7月上旬まで約10日間のオフを与えられるという。武藤は、移籍発表から一夜明けた5月31日の練習後、「少しオフをもらえると聞いている。ありがたい話。しっかりと疲れをとって、マインツに合流できる」と話した。

 開幕からフル稼働してきた。水曜、土曜と試合が続いた4月中旬からの7連戦では6試合に先発。5月中旬から再び7連戦が始まり、フル出場を続けている。代表での活動もあり、3月7日のJ1開幕から完全オフはわずか3日間。「正直万全のコンディションと言えない。けど、ピッチに立つ限り疲れていることを言い訳にはできない」と覚悟の上で奮闘を続けている。

 マインツから与えられる休暇を少しでも有効活用するために、ドイツには“片道切符”で向かう。5年前に東京の先輩・長友がチェゼーナへ移籍した際には、メディカルチェック(身体検査)後に正式サインをして一時帰国したが、武藤は検査後に直接チーム合流する。長距離移動による体の負担を考慮したためで、ビザなどの問題もない。

 「いい形でお別れができるように全部勝ちたい」とラストスパートを誓った。【栗田成芳】