開幕から15戦連続不敗の浦和が第1ステージを制した。神戸を下し、史上初の無敗での優勝を決めた。

 浦和は前半27分に先制した。ピッチの中央でインターセプトしたDF槙野がドリブルで持ち込み、ペナルティーエリアの手前で左サイドへパス。MF武藤が左足でグラウンダーのクロスを送り、中央に走り込んだFW興梠がスルー。ファーサイドに詰めていたMF梅崎が右足で合わせると、右ポストに当たってゴールマウスの左に吸い込まれた。

 勝つか引き分ければ優勝という条件で、非常に大きな先制点。梅崎はサポーターに向かって大きく右拳を突き上げ、サイドラインに走ってスタッフやサブのメンバーと喜びを分かち合った。演出した武藤と槙野も満足顔でハイタッチした。

 追う神戸は惜しい展開が続いた。前半32分、ペナルティーエリアでボールを持ったFW小川が右足でシュートを打ったが、クロスバーに当たってゴールならず。39分の右CKではDF増川が頭で完璧に合わせたが左ポストをたたいた。

 浦和も追加点を奪えなかった。MF柏木のダイビングヘッド(33分)がゴールネットを揺らすも、オフサイドの判定。前半は浦和1点リードで折り返した。

 後半の浦和は手堅く試合に入った。追加点を狙ってバランスを崩すことなく、まず守備から固める。出色だったのはJ1通算200試合出場の節目を迎えた槙野だ。FWペドロ・ジュニオールとの1対1に完勝して相手攻撃の芽をつんだ。攻め込まれた20分のピンチもFWマルキーニョスのパスをカットして防いだ。

 追う神戸は勝負に出た。後半15分、ペドロ・ジュニオールとDF安田を下げてFW渡辺とDF相馬を投入。攻撃のテンポに変化を入れた。すると、後半39分にネルシーニョ采配が当たる。相馬の左クロスに渡辺が頭で合わせ、ゴール左へ突き刺した。途中出場の2人の連係で追いついた。

 浦和は、その9分前から数的不利になっていた。MF宇賀神が足裏を見せてタックルに行き、この日2枚目のイエローカード。退場となる。ペトロビッチ監督は直後に興梠とMF橋本を代え、2シャドーの1枚を削って対応。36分に左サイドから崩されたピンチも武藤が懸命に戻ってクリアするなど耐えていたが、ゴールを割られてしまった。

 後半ロスタイムが6分と表示されると、応援席から「ウィー・アー・レッズ」コール。万博ではG大阪が仙台と1-1で引き分け、試合中に優勝が決まった。しかし、結果を知らないイレブンは10人で追加点を許さなかった。引き分けで自力V。試合終了の笛が鳴ると、ピッチでは選手が次々とガッツポーズした。ペトロビッチ監督もスタッフと円陣を組んで喜ぶ。最後はホームの赤ユニホームに着替え、表彰式に臨んだ。

 勝てばホーム通算100勝だった神戸は優勝を阻止できず、目の前で浦和優勝を見届けることになった。