ドルトムントの日本代表MF香川真司(26)が、日本凱旋(がいせん)を自身の2得点で飾った。アジアツアーで来日したドイツの強豪の一員として、川崎Fとの国際親善試合にスタメン出場し前半のみのプレーで2ゴール。来日したチームを日本で待ち受け前日6日に合流したばかり。トゥヘル新監督にも猛アピールした。試合はMF丸岡満(19)のゴールもありドルトムントが大勝した。

 香川が2得点で15-16年シーズン、最高のスタートを切った。前半5分。まず得意ではないヘディングで先制点。さらに同36分にはFWロイスのパスをダイレクトで右足シュート。2発で試合を決めて、45分でお役御免となった。

 欧州で結果を残してきた「ドルトムント香川」としての凱旋試合を2発で自ら祝い、前日6日に初対面したばかりのトゥヘル新監督への猛アピールにも成功した。「こういうところでゴールという結果を残すことが何よりのアピールになる。これからも前を見据えてやっていきたいと思います」と言った。

 今季から背番号がC大阪からドルトムントに移籍しリーグ2連覇を成し遂げた時の23に戻った。マンチェスターUから再加入した昨季は7だったが、思うような活躍はできなかった。日本代表でも得点から遠ざかる。原点回帰の効果ではないだろうが、まだ合流2日目にもかかわらず輝きを再現するような動きだった。

 起用されたのは4-3-3の右インサイドハーフ。「トレーニングもすごく楽しい」と新体制を歓迎してている。この日はC大阪の後輩に当たる19歳のMF丸岡もスタメンに名を連ねていた。序盤から動きを指示。前半30分過ぎにはスルーパスを送って先輩の優しさもみせた。

 相手の川崎Fには慕っている兄貴分の大久保がいたが、主役は譲らなかった。その大久保からも「いいスタートが切れたんじゃないか」とエールを送られた。七夕の夜。あいにくの小雨模様だったが、香川がピッチに輝きをもたらした。【八反誠】