試合は敗れたが、期待の若手が結果を出した。1点を追う前半25分、来月の東アジア杯(中国・武漢)予備登録メンバーに入っているMF小原由梨愛(24)が左サイドを疾走。マークをスピードで振り切って左クロスを送り、正確なボールをMF佐伯彩(26)の右足に供給した。鮮やかなゴールが突き刺さると、抱き合って大喜び。「手前で(上尾野辺)めぐみさんがつぶれてくれてファーサイドの彩さんが空いた。しっかり見えていたし、少しクロスが浮いたので『ふかさないで』と願ってました」と、振り返りも完璧のクロスで同点弾を演出した。

 会場の十日町市当間多目的グラウンド「クロアチアピッチ」には1004人が詰めかけた。13年10月20日の岡山湯郷戦(512人)、昨年5月31日の吉備国際大戦(637人)を上回る会場最多のファンが来場。なでしこ人気の再燃も実感する中で新潟が追いついた。後半6分の失点で敗れはしたが、スタジアムの応援は一体感十分。上尾野辺が「皆さんのおかげでW杯の準優勝がある」と感謝すれば、DF北原佳奈(26)も「リーグ戦の勝ちにこだわってやっていく」と約束。小原も「代表候補になったのはうれしいけど、まずはチームの勝利に貢献したい」と宣言した。