“柏のエース”FW工藤壮人(25)が、“柏のレジェンド”北嶋秀朗(37=現熊本コーチ)を超えた。川崎F戦の前半15分。柏は中央を得意のパス回しで崩すと、MF小林祐介(20)がDF裏へ抜けた工藤へラストパス。これを同FWが左足で押し込んだ。

 工藤はこれでJ1通算53点。北嶋の52点を抜き、J1最多得点のクラブ記録を塗り替えた。ボールがゴールに吸い込まれると、工藤は北嶋がそうしたように右手で左胸のチームエンブレムをポンポンとたたいて喜びを表現した。

 北嶋は、工藤が下部組織時代からあこがれていた先輩。プロ入りしてからは、年下の工藤にもアドバイスを求め、自分を高めようとする姿勢に感銘を受けた。北嶋が柏を退団した12年にはサイン入りのスパイクを譲り受け、今も自宅に大切に保管してある。北嶋からは「そんなに誇れるようなゴール数じゃない。恥ずかしいから早く超えてくれ」とハッパを掛けられてきたが、ついに追い越した。

 柏はそのまま逃げ切って、第1ステージも含めて今季初の連勝。一方、川崎Fはドイツ2部ボーフムから復帰したMF田坂祐介(30)が鋭いドリブルや決定的なパスで好機を演出したが、1点が遠かった。