開幕からの連続負けなしが19で止まった前節広島戦に続き、浦和は内容では完全に相手を圧倒しながら敗れた。1点を追う後半ロスタイム。GK西川が自陣ゴールエリアを出て、ドリブルで中盤に上がった。「リスクをかけないと、1人多い相手を脅かすことはできない」。前線を走るMF武藤目がけ、鋭い縦パス。スタンドをどよめかせたがわずかに合わず、名古屋GK楢崎にキャッチされた。

 前半19分にはMF柏木のシュートが相手のオウンゴールを誘って先制。しかし直後に、2度にわたり名古屋FW永井の突破を許した。1度目は失点につながり、2度目はDF森脇がファウルし退場になった。

 10人になったが、ペトロビッチ監督(57)は2本指を立て、2バックで守ることを指示した。その分、西川が最終ライン後方をカバーし、サイドMF宇賀神、関根が前線から自陣まで走り続けた。関根が「どちらが10人なのかという感じ」と自負するように、6割近いボール支配率で押し込んだ。

 それでも終了間際、FW興梠が左クロスにゴール正面でフリーで合わせながら、シュートがゴール右上に外れるなど、再三の決定機を生かせなかった。「足首がボールに負けた。最後の精度が足りなければ試合はこうなる」。03年最終節にかけての3連敗以来となるリーグ連敗となった。【塩畑大輔】