清水は1日、大榎克己監督(50)の辞任と田坂和昭ヘッドコーチ(HC=43)の監督代行就任を発表した。田坂監督代行は今日2日の練習から指揮を執り、12日のホーム湘南戦が初戦となる。大榎前監督の参謀を務め、主に守備の再構築を図った新指揮官のもと、残り12試合での残留を目指して再出発する。

 J1清水が「田坂体制」で再出発する。大榎前監督の辞任と、田坂HCの監督代行就任が決まった。チーム立て直しと残留に向けて田坂監督代行は適任だったといえる。

 現在置かれている状況を考えれば、外部から監督を招聘(しょうへい)するのはリスクが高い。そこでフロントは過去に清水でプレーし、コーチ経験もある田坂監督代行に白羽の矢を立てた。先月2日にヘッドコーチに就任すると、最重要課題でもあった守備の再構築を図った。御殿場キャンプ中に守備時の決まり事を明確にし、リスクの低い堅守速攻の意識を選手に指導した。第2ステージ開幕戦は0-5で大敗も、その後の試合では大崩れすることなく、29日の横浜戦では今季初の逆転勝ち。フロントは守備の立て直しに尽力した田坂監督代行の手腕を高く評価し、28日に大榎前監督が辞意を固めた数時間後に打診をしたとみられる。

 現在チームは17位に沈み、15位の新潟との勝ち点差は3だ。昨年7月に解任されたアフシン・ゴトビ元監督に続き、2年連続でシーズン途中に監督交代という緊急事態となったが、残留に向けた最後の決断を下した。クラブの将来がかかる今季は残り12試合。Jリーグ創設から参戦する「オリジナル10」としての面目を保つべく、一丸となって残留を目指す。【神谷亮磨】