清水MF村田和哉(26)が親交のある陸上トップ選手の存在を刺激に出番を待つ。今日29日のホーム東京戦に備えた28日、静岡市内での非公開調整に参加。ベンチスタートが濃厚の村田は流れを変える“切り札”として途中出場する可能性が高い。同日の練習でも納得の動きができた様子で「体のキレはよかった。やることはやってきた」と充実した表情を見せた。

 日の丸を背負う「同級生」の活躍が発奮材料だ。村田が個人契約を結ぶメンタルトレーナーは世界陸上短距離種目で日本代表に選ばれる高瀬慧(26=富士通)も指導しているという。高瀬とは大会前に直接会う機会があり、同級生という縁もあって、意気投合したそうだ。村田は「戦う前のメンタル状況はどうなのかということを聞けた。いろんな話ができてよかった」と刺激を受けた。

 競技は違うものの、スピードで勝負するという共通点もある。一瞬で勝敗が決まる短距離界。村田は「僕も短い時間でどれだけ力を出せるかが大事」と共感する。世界陸上は毎日のようにテレビ観戦しており、世界トップ級のランを研究。「もっと速く走りたい」と探求心は尽きない。

 昨季の村田はリーグ終盤でチームを勝利に導く得点を挙げるなど、残留に大きく貢献した。今季も残り9試合。特に東京の一戦は絶対に負けられない。「去年奇跡を起こしたので、もう1回起こせる。勝利にこだわりたい」。清水のスピードスターは低迷するチームを救うべく、サイドを駆け上がる。【神谷亮磨】