悲願のパラリンピック初出場へ世界ランク9位の日本代表は試練のスタートとなった。開始から同5位で今大会最強の中国のスピードと個人技に防戦一方だった。それでもダイヤモンド型の布陣は大崩れすることなく、前半は想定通り無失点でしのいだ。しかし、後半7分、CKから一瞬のスキを突かれて失点。その後はラインを高く上げて波状攻撃を仕掛けたが、ゴールには届かず、0-1で初戦を落とした。

 試合後、MF黒田智成(36)は「本当に悔しいです。中国のスピードとドリブルには慣れていたけど、厳しく行けないところがあった」と目に涙をためて敗戦を振り返った。ただ、自信まで失ってはいない。「完全に守備を崩されることはなかった。厳しい守備から攻撃へともっと精度を上げていけばいい。まだこれから」と気合を入れ直した。

 リオデジャネイロ・パラリンピック出場条件は2位以内。3日の第2戦は4年前のアジア選手権(仙台)の最終戦で敗れたイランが相手だ。前回は引き分け以上でロンドン・パラリンピック出場が決まる状況で、試合終了15分前に2失点して敗退した。「仙台の悲劇」の雪辱戦でもある。魚住稿監督(38)は「大きな課題はない。今は気持ちを切り替えることが大事。あくまで2位以内に入ることが必要条件。先のことだけを考えていきたい」と前を向いた。

 ◆リオデジャネイロ大会出場条件 出場枠は8カ国。アジアは2枠でアジア選手権の上位2カ国が出場権を獲得する。同選手権は1回戦総当たり(25分ハーフ)のリーグ戦を行い、勝ち点(勝利3、引き分け1、敗戦0)の上位2カ国に出場権が与えられ、7日に決勝戦が行われる。

 ◆ブラインドサッカー 1チームは視覚障害者4人と、視覚障害のないGKの計5人。加えてゴール裏でシュート方向などを指示するガイド(コーラー)がいる。フットサルとほぼ同じ大きさのコートで鈴の入ったボールを使ってプレーする。4人のフィールドプレーヤーはアイマスクを着用。前後半25分ハーフ。24年アテネ大会からパラリンピック正式種目。国内競技人口は約400人。