J2磐田DF小川大貴(23)が「日の丸」を背負う先輩の存在を刺激に左サイドを“制圧”する姿勢をみせた。今日5日の天皇杯2回戦・ホーム福岡戦に備え、4日は磐田市内でリラックスゲームなどで調整。同1回戦ホーム北陸大戦(8月29日・1-0)に続き、左サイドバックで先発出場が濃厚な小川は日本代表に追加招集された明大の先輩、DF丸山祐市(26=東京)に触発され、心身のボルテージを上げてピッチに立つ構えだ。

 無尽蔵のスタミナを持つように身長172センチの小川が何度も左サイドを駆け上がった。リラックスゲームでサイドバックに入ると、相手チームのFWアダイウトン(24)を徹底マーク。攻撃の芽を摘んで好調ぶりを示すと「まず天皇杯で勝たないと、次はない。自分たちで勝ってアピールすれば、Jリーグにもつながる」と見据えた。

 先輩から刺激を受けた。現在、W杯アジア2次予選に臨む日本代表に追加招集された丸山は、明大サッカー部の2学年先輩にあたる。サイドバックとセンターバックとして、最終ラインで並んでプレーしていた。追加招集とはいえ、先輩の代表選出を目にし「すごい」とくぎ付けになったという。「実力は今でも覚えている。丸くんを超えていきたい」と気持ちは高揚するばかりだ。

 天皇杯1回戦の北陸大戦では、前半にオーバーラップから枠内シュートを放つなど攻撃面での持ち味も見せた。守備では、1対1の強さやカバリングでもしっかり機能。名波浩監督(42)から「合格」の太鼓判を押されたものの、小川は「まだまだやれる。実力の3分の1も出せていなかった」と満足していない。

 2回戦では同じJ2の福岡との顔合わせだ。今季はリーグ戦で1分け1敗と苦手にしている難敵となるが「無失点に抑えるのは当たり前。ゴールも常に狙っている」とプロ初得点も目標に掲げた。今季2試合のみの出場というリーグ戦でのレギュラー奪取をアピールする上でも天皇杯の活躍は不可欠。強い意気込みで、結果を残す。【保坂恭子】

 ◆小川大貴(おがわ・だいき)1991年(平3)10月16日、富士市生まれ。ACNジュビロ沼津から磐田ユース入り。磐田東高から明大進学。09年、U-18代表候補。14年に磐田入り。10月26日ホーム京都戦(2-2)でJデビューを果たした。今年5月、大学時代から約2年間交際していた一般女性と結婚。172センチ、75キロ。血液型はO。