浦和ＭＦ柏木陽介（２７）は苦心のゲームメークも実らず、チームを勝利に導くことはできなかった。

「難しい試合になるとは思っていた。入り方は悪くなかったけど、先制後すぐに同点を許してしまったことで、相手を勢いづかせてしまった」と振り返った。

　「サイドの３人のローテーションを意識して攻撃を組み立てたけど、相手は１人１人についてくる感じではなかったので、選手同士の距離をあまりあけることができなかった」。打開するべく、後半はペトロビッチ監督の指示も受け、攻撃時には最終ラインの左右サイドに下がった。

　ＤＦ森脇、槙野の両翼を押し上げて、サイド攻撃を強化する狙い。しかし柏木と前線の選手との距離が広がったことで、攻撃の厚みを失った。そして中央にパスの供給源がなくなり、サイドからの攻撃一辺倒になったため、鳥栖はクロスに対する中央の守備を徹底しやすくなった。

　“ピッチ上の監督”は「自分で考えて動かないと」と終盤は意識して、中央から自ら前線に飛び出す形もつくったが、一度勢いに乗ってしまった鳥栖守備陣を崩すことはできなかった。それでも柏木は「この内容で勝ち点１をとれたことを前向きに考えたい。最低でも勝ち点１を、という考え方で、第１ステージからここまで勝ち点を積み重ねて来られたのだから」と強調した。