G大阪が大会2連覇に王手をかけた。MF遠藤保仁(35)が得意の直接FKを決めるなど新潟に完勝。第1戦は惜敗していたが、2戦合計3-2で決勝進出を逆転で決めた。日本代表4選手を欠きながら2年連続3度目の優勝に王手をかけた。

 まさに伝家の宝刀だ。このままだと敗退が決まってしまう0-0の後半12分。MF遠藤が約22メートルほぼ中央の距離から、直接FKを右足で蹴りこんだ。縦回転で相手GKの手をかすめてネットへ。主将は両手を突き上げ、右手で軽くガッツポーズした。

 「打てるコースは決めていた。まずは丁寧に枠にいくことを考えて。もうちょっと際どいコースをつければ良かったが、GKは壁を超えるまでボールがほとんど見えていなかったと思うので、それが大きい」

 今季公式戦で初めて決めた直接FK弾。5月の第1ステージ浦和、川崎F戦でクロスバーをたたいて決めきれなかった。シーズン前はMF中村俊輔(横浜)と直接FKによるJ1通算得点記録で首位に並ぶ17点だったが、既に3点差をつけられていた。

 第1戦は体調面を考慮され、新潟遠征には不参加。結果を出すしかなかった35歳の元日本代表は「今季、何度か決めるチャンスがあった。感覚は悪くなかったので、どこかで取りたいという気持ちはあった」という。長谷川監督は「こういうところで決めきるのは、さすが持っている」と褒めたたえた。

 代表4選手を欠きながらも07、14年に続く3度目の優勝へ王手をかけた。前日10日には来季から使用する新本拠地がお披露目された。天皇杯など全て勝ち上がっても、23年間ホームとして使い続けた万博記念競技場で試合ができるのは残りわずか。「1つでも多くのタイトルをつかみたい」。背番号「7」が、今年も日本一を決めるカップ戦の舞台で輝く。【小杉舞】