柏が3-0で、J2降格が決まった清水に完勝した。

 前半から面白いようにパスを回し、相手を翻弄(ほんろう)した。38分にはMF秋野央樹(21)からのパスを左サイドで受けたFW大津祐樹(25)が、中央へカットインしながら、豪快に右足先制弾。J2時代の10年4月4日・水戸戦以来となる、柏でのゴールを決めた。後半もFWクリスティアーノ(28)、MF太田徹郎(26)が加点。守備陣も最後まで集中力を切らさなかった。

 清水戦の前に、今季限りでの退任が濃厚となった吉田達磨監督(41)は試合後、目を真っ赤に潤ませながら記者会見場に現れ、「選手たちが、僕らのやり続けてきたことをただただ、ひたすらにやってくれた。その結果だと思う。本当にちっぽけなこんなやつ(自分)のあんなニュースで、選手たちが動揺せず、選手たち自身の中で奮い立たせてやってくれた」とチームをたたえた。

 この日、途中出場して攻守のバランスを整え、太田のゴールをアシストしたMF栗沢僚一(33)は「プロである以上、何があっても終わるまでは結果を求めるべきだし、『このメンバーで』という気持ちが良い試合につながった」と説明。今季はあとリーグ戦2試合と、4回戦から登場する天皇杯を残すのみとなったが「選手、監督、スタッフだけの試合じゃない。サポーターとかみんな仲間なので、惨めな試合はできない」と最後まで全力でプレーすることを誓った。