清水はホーム最終戦だったが、柏に完敗した。J2降格決定後の試合となり先発を大幅に変更。FW北川航也(19)MF石毛秀樹(21)ら、若手がスタメン出場するも、前半38分に先制点を許し、後半も相手に圧倒されて2失点を喫した。この日の敗戦でクラブワーストの10戦勝ちなしとなり、成績不振を理由に田坂和昭監督(44)が今季限りで退任する見通しとなった。

 清水がJ1として戦える今季最後のホーム試合で完敗した。前半38分に先制点を献上。後半は前線からプレスをかけるも、相手の小気味いいパス回しに振り回され、体力を奪われた。同17分に追加点を許し、終了間際にも痛恨の3失点目。FWウタカやMFデュークら、外国籍選手4人を先発から外す大胆な選手変更も無力だった。

 リーグ初先発のFW北川は「準備はできていたけれど、結果が伴わなかった」。MF石毛も「エスパルスが今後目指さなきゃいけない道を示せなかった」と悔しさをにじませた。J2降格後、多くの選手は「プロとして残り3試合を大事にしたい」と気持ちを切り替えていたが、結果は惨敗。連動した動きはなく、自己中心的なプレーも連発。クラブとしての団結力の欠如が浮き彫りになっただけの試合だった。

 ホーム最終戦だったにも関わらず、この日の入場者数は今季ワースト2位の1万2238人。来季に向けて「再出発」と位置付けた一戦で非情な現実を突きつけられた。主将のMF本田拓也(30)は「チーム、個人として力がなかっただけ。申し訳ない」。クラブは1年でのJ1復帰を目指すが、不安要素しか残らなかった。【神谷亮磨】