第94回全国高校サッカー選手権(12月30日開幕)の組み合わせ抽選会が16日、都内で行われた。

 FW土居晃貴(3年)のスーパーゴールで岡山大会決勝を突破した玉野光南は、初戦の2回戦で前年覇者の星稜(石川)と対戦する。2年前の3回戦ではPK戦の末に敗れており、リベンジの思いは強い。抽選会に参加したDF西中竜斗主将(3年)は「ワクワクする。負ける気がしない」と自信をみなぎらせた。練習中に知らせを聞いた土居も「正直ラッキー」と、注目度が高い王者との初戦を心待ちにした。

 岡山大会決勝の作陽戦で土居が決めた決勝ゴールは、米スポーツ専門チャンネルESPNで取り上げられるなど世界に広がった。街でも声をかけられるようになったという土居は「注目されることで、少しプレッシャーになりますけど、逆にいいプレーをしようともなる」と頼もしい。「作陽戦のようなシュートは難しいと思いますけど、泥くさくゴールを狙っていきたい」と闘志を燃やした。

 今年のチームのテーマは「感動を与える」だ。今年から岡山大会決勝の入場料が500円と有料となり、お金を払って応援してくれた人への感謝の思いが込められている。西中は「大会で感動を与えたい。スーパーゴールに期待するよりは、堅守速攻の自分たちのサッカーをやる」。スーパーゴールでなくても、勝ち進めば、感動はついてくると信じている。【上田悠太】

 ◆土居のスーパーゴール 1-1で作陽との岡山大会決勝の延長後半終了間際に飛び出した。GKのロングボールを2人が頭でつなぎ、ゴール前約23メートルの地点でFW土居がゴールに背を向けた状態で胸トラップ後、1度浮かしてDFをかわし、右足でボレーシュートを放ち、ゴール左隅へ決めた。シュートシーンは動画サイトなどで広まり、米スポーツ専門チャンネル「ESPN」、欧州のスポーツ専門放送局「ユーロスポーツ」など世界のメディアでも取り上げられた。ツイッターでも「年間ベストゴール」「神ゴール」「少林サッカーのようだ」などと話題になった。